ウォッカ ― 消えた写真の“もう一人”|BAR コトリノネ 第16話

BAR コトリノネ
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トコナ
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忘れたんじゃない。思い出さないと決めただけだ。ウォッカは冷たい。
だがその冷たさは、感情を否定するためじゃない。
事実だけを残すための温度だ。
写真から消えた“もう一人”は、本当は今も、心の中に立っている。
見ないふりを続ける限り、記憶は静かに歪み続ける。

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人は、思い出したくないものを「忘れる」のではない。
最初から存在しなかったことにする。

この夜、残された一枚の写真には、確かな違和感があった。
写っていたはずの“もう一人”が、どこにもいない。

ウォッカは無色で、無臭で、逃げ場を与えない。
だからこそ、記憶に混ざった嘘や、都合のいい編集を見逃さない。

BAR コトリノネで語られるのは、
消された人物ではなく、消してしまった心の選択だ。

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