
トコナ
声が出ないのは、弱さじゃない。言葉を大切にしすぎた結果だ。
シャルドネは軽い。
だがその軽さは、逃げるためのものじゃない。
余計なものを削ぎ落とし、本音だけを残すための透明さだ。
沈黙は、終わりじゃない。
本当の声が戻る直前に訪れる、一番正直な時間なのかもしれない。
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梅酒 ― 引き出しの奥のラブレター|BAR コトリノネ 第14話
声を失う理由は、必ずしも身体にあるとは限らない。
ときに人は、語ることをやめることで、自分を守ろうとする。
この夜、BAR コトリノネを訪れたのは、
かつて歌うことで生きていた一人の歌手だった。
異常はない。それでも声が出ない。
シャルドネは、主張しすぎない。
だがその透明さは、嘘を許さない。
沈黙の奥に隠されていたのは、
期待に応え続けた末に置き去りにした、本当の自分の声だった。




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