
カフェでコーヒーを頼んで、500円。
安くはないけれど、気づけば席に座っている。
あい自身も、何度もそんな選択をしてきました。
原価という言葉を聞くと、
「豆はいくら?」「ぼったくりじゃない?」そんな反応が出がちです。
でも、コーヒーの値段は、材料費だけでは説明できません。
なぜなら、カフェは“飲食店”である前に、時間と空間を提供する場所だからです。
今日は、コーヒー1杯500円の中身を、豆・人件費・家賃・設備・ロス・ビジネスモデルこの6つの視点から、ひとつずつ分解していきます。
読み終わる頃には、
この一杯の見え方が、きっと変わります。
第1章|コーヒー豆の原価は本当に安いのか?【具体モデルで検証】
まず、最初に押さえておきたいのが豆の原価です。
仮に、
- 1杯あたり使用する豆:12g
- 業務用豆の仕入れ価格:1kgあたり4,000円
この場合、
1杯あたりの豆原価は約48円。
少し良い豆を使って、
1kgあたり6,000円だったとしても、
1杯72円程度です。
ここで重要なのは、
「原価が安い=手抜き」ではない、という点。
コーヒー豆は、
大量生産・大量流通に向いている素材です。
だから、一定以上の品質までは、コストが急激に上がりません。
あいの整理:
豆は安くできる。
でも、安くするために犠牲になるのは、別のところ。
第2章|人件費を1杯に換算すると、意外な数字になる
次は人件費です。
例えば、街の個人カフェを想定します。
- スタッフ:2人
- 時給:1,200円
- 営業時間:8時間
人件費は1日 19,200円。
この店が1日に売るコーヒーが、仮に100杯だとすると、
1杯あたり192円が人件費になります。
さらに現実には、
- 仕込み
- 掃除
- レジ対応
- 売れない時間帯
があります。
つまり、
「コーヒーを淹れている時間」だけで
人件費を割ることはできません。
あいの視点:
500円のうち、
実は一番大きな割合を占めているのは、人。
第3章|家賃=「座れる1時間」の料金だと考えてみる
次に家賃です。
仮に、
- 駅徒歩5分
- 20席ほどのカフェ
- 月の家賃:40万円
月の営業日を25日、
1日100杯売ると仮定すると、
月間販売杯数は2,500杯。
1杯あたりの家賃負担は160円。
ここで、少し見方を変えてみましょう。
もしあなたが、
- 静かな場所
- 椅子と机
- 電源
- 空調
を備えた空間を、1時間借りたら。
160円は高いでしょうか。
あいの結論:
コーヒー代は、
「場所代+ドリンク」がセットになった料金。
関連記事:原価シリーズ
なぜメガネチェーン店は1万円以下で売れるのか?原価・業界構造・安さのからくりを徹底解説
第4章|設備費と光熱費は「静かに積もる固定費」
カフェの設備は高額です。
- エスプレッソマシン:100万〜300万円
- グラインダー:数十万円
- 冷蔵庫、製氷機、食洗機
これらを5年で回収するとしても、
月あたり数万円の償却費がかかります。
さらに、
- 電気代
- 水道代
- 洗剤、フィルター、紙類
これらを合算すると、
1杯あたり30〜50円。
派手ではありませんが、
止めることもできないコストです。
第5章|「売れなかったコーヒー」は誰が払っているのか
カフェには、必ず売れない時間があります。
- 午後の空白
- 雨の日
- 平日昼間
それでも、
店は豆を挽き、マシンを温め、席を用意します。
廃棄されたコーヒー、
鮮度落ちの豆。
これらの損失は、
売れたコーヒーに分散されます。
あいの言葉:
飲まれなかったコーヒーの分も、
この一杯に少しずつ含まれている。
第6章|コンビニコーヒーと比較してはいけない理由
よくある疑問が、
「コンビニは100円なのに」というもの。
でも、これは
ラーメンと弁当を比べるようなものです。
コンビニコーヒーは、
- 滞在時間ゼロ
- 回転率極大
- 利益目的ではない
一方、カフェは
- 滞在前提
- 席を占有
- 空間設計が商品
同じ“コーヒー”でも、
売っているものが違う。
だから、値段も違う。
第7章|それでも「高い」と感じる正体は何か
ここで、感情の話をします。
人は、
- モノには原価を求め
- サービスには慣れてしまう
500円のTシャツには納得するのに、
500円のコーヒーには引っかかる。
それは、
形が残らないものに価値を見出しにくいからです。
あいのまとめ:
高いと感じるのは、
価値を知らないからじゃない。
価値の種類が違うだけ。
FAQ
Q1. カフェの原価率はどのくらい?
A. 一般的に30〜40%前後です。
Q2. 家で飲めば節約になる?
A. 金額面ではなります。ただし体験は別です。
Q3. 高級カフェはぼったくり?
A. 価格設計が違うだけで、仕組みは同じです。
Q4. 原価を知ると楽しめなくならない?
A. 逆に納得して楽しめる人が多いです。
Q5. このシリーズの狙いは?
A. 暴露ではなく、理解です。
まとめ

コーヒー1杯500円。豆だけを見れば、確かに安い原価です。
でも、
人件費、家賃、設備、ロス、時間。それらを積み重ねると、
この価格は「不思議」ではなくなります。
原価を知ることは、損得を決めるためではありません。
自分が何にお金を払っているのかを、理解するための手段です。
次にカフェでコーヒーを飲むとき、その一杯が、ただの飲み物ではないことに、
少し気づいてもらえたら嬉しいです。




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